保育料の基準と浦安市の負担について考えてみる(新制度前)

今までの浦安市役所と浦安保育フォーラムとの懇談の中では、頻繁に保育料についての議論がなされてきました。その際、浦安市役所から「浦安市の保育料は低く抑えられている」という説明を受けてきました。よくよく考えてみますと、自分が生活している浦安市の保育料が安いのか高いか、どれくらい浦安市が負担しているのか、そもそも保育料にはどのような基準があるのかすらも理解していないことに気がつきました。そこで、自分達で調べて勉強することにしました。

 

浦安市の保育料は、どうして低価格に抑えられているのか?

市町村では、国の保育料の基準やその自治体の財政状況などを踏まえて、保育料の基準が定められます。また、国や自治体の保育料の基準は、年が経つにつれて変化します。例えば、保育を行う上でのコストが増えた場合、国や自治体の財政が苦しくなった場合など、やむを得ない理由があると保育料が改定されて値上がりします。浦安市では、平成5年から保育料を改定していません。そのため、今(平成26年)から約20年前の基準のままで保育料が維持されています。

 

浦安市は積極的に保育を支援しています

2011年の東日本大震災では、浦安市は液状化による大きなダメージを受け、市の財政はとても厳しくなりました。しかし、給食を含めて、子どもたちの保育に関する予算は何とかして維持しようとしました。もちろん保育料を値上げすることもありませんでした。また、浦安市には認可保育園の他に、認可外の保育園がありますが、これらの保育園を利用した場合に、保育料の面で親の負担に格差が生じないように、保護者に補助金を出してくれます。認可外の認証保育園を利用した場合には、認可保育園を利用した場合と金銭的な差はほとんどありません。

 

国の保育料の基準

各市町村のウェッブサイトでは、「国の基準と比べて○○%も安いです!」という説明を見受ける時があります。まず、国の基準について考えてみたいと思います。新制度が始まる前の2013年(平成25年)現在の国の基準では、保護者の都合や収入などに応じて8つの階層が設定されています。ここでは、条件を単純にするため0歳児での国基準の保育料限度額(最高額)についてのみ考えます。その額は、1カ月で104,000円です。この場合に対象となるのは、所得税額が73万4千円以上の世帯です。この限度額の基準はあくまで国が設定したものです。この税額のままで限度額を設定している市町村もあれば、413,000円以上もしくは、1,113,000円以上というように、それぞれの自治体で違いがあります。ちなみに、浦安市では、所得税額の合計502,500円以上の世帯が限度額の対象となっています。

 

国の基準は高いのか?

引き続いて、国基準の0歳児の保育料について考えます。1ヵ月で10万円の請求があって、それを安く感じる人は少ないと思います。では、国の基準は非常に高く設定されているのでしょうか? この限度額104,000円を平日20日間で日割りすると、1日あたり5,200円です。0歳児の子どもを預けた時のコストを考えると「おや?」と思うかもしれません。そう、実際の保育では、保護者が支払う保育料よりもっとたくさんのコストがかかるのです。国は、最低基準に従って保育をした場合に必要なお金を「保育単価」という名前で計算しています。その額はケースバイケースですが、以前、浦安市が一例として説明してくれた0歳児の保育単価は158,000円でした。

 

国と自治体の保育料の基準と浦安市の負担

しかし、多くの自治体では、国の保育基準よりも低い金額になるように保育料を抑えてくれています。浦安市の基準の場合、0歳児の保育料の限度額は1ヵ月あたり54,000円です。国の基準の半額に近いことが分かります。では、浦安市が保育のためにどれくらいの金額を負担しているのか、シミュレートしてみましょう。

 

ここでは、0歳児の1カ月の保育にかかるコスト(保育単価)を158,000円、国からの補助を受けられる私立の認可保育園、限度額まで保育料を負担できる世帯を想定して、それぞれの負担額を考えます。詳しい計算式は省略します。

 

[ケース1] 国の基準のままで0歳児の1カ月の保育料を徴収した場合

国や千葉県、浦安市の負担の割合は以下のようになります。

・保護者が支払う保育料 104,000円

・国の負担 27,000円

・県の負担 13,500円

・市の負担 13,500円

この場合、浦安市の負担は13,500円です。

 

[ケース2] 浦安市の現在の基準で0歳児の1カ月の保育料を徴収した場合

国や千葉県、浦安市の負担の割合は以下のようになります。

・保護者が支払う保育料 54,000円(104,000円ー50,000円)

・国の負担 27,000円

・県の負担 13,500円

・市の負担 13,500円 + 50,000円

この場合、浦安市の負担は63,500円となります。保育料を50,000円安くしたので、その分が増えています。

 

さらに、フォーラムがお世話になっている浦安市の公設公営の保育園の場合には、国からの補助がありません。その分の費用も浦安市が負担しています。しかも、浦安市は地方交付税交付金を受けていません。浦安全体で考えると、とても大きな費用負担となる訳です。

 

まとめ

未就学児をもつ親にとって、保育料はとても深刻です。しかし、浦安市は保育料を抑えるために市の負担の割合を増やしていることが分かりました。ここでは限度額まで支払える世帯を対象にして算出しましたが、応能負担ですので、世帯の収入によっては、もっと低額の保育料が設定されます。また、浦安市を含めた多くの市町村では、第二子や第三子を保育園に預けた際には保育料が大幅に安くなります。保育に必要なコストを減らすことは難しいですから、市町村の負担は大きいようです。

 

浦安保育メモに戻る