子育てパパの心の充電:子どもと焚火と星空と
(東野父母会 2013年度 ペンネーム "もちきん"さん)
2014年3月30日
えーと、子供の着替えは、ヒートテックの長袖と半袖の2枚重ね、タイツにズボン、ダウンコートにネックウォーマー。。。。あっ、湯たんぽも入れないと。
自分の分と子供二人分で、大型バックがパンパン!
シュラフも冬用の♯1と♯2、テントにタープ、テーブルに椅子、ランタンにバーナーといつもながらの山積み荷物にちょっとうんざり、「俺って旅下手かも」と思い知らされる。
一人でバイクに乗ってキャンプしていた頃は、もっと手軽だったのに、いつのまにかこんなスタイルになってしまった。
日々の子育てを問われれば、「いつもバタバタ」としか言いようがない。朝起こすのですら容易じゃない、寒い朝はなお更である。
毎日やっている事なのに、保育園の支度に指さし確認、タオルにコップに歯ブラシ着替え、連絡ノートも押し込んで、気が付けば、もうこんな時間。Eテレの『はなかっぱ』が終わると同時に家を出る。このタイミングは外せない、フックブックロー♪のオープニングなんか聞いてなんていられない。
13年前に長男を乗せるために買ったママチャリは、前かごに子供を載せてもふらつかない「フラッカーズ」である。今でも現役で走ってくれる。が、漕ぎ出せば、ガタギシ音が出て、買替の文字が頭をよぎる。いやいや、もう少し頑張ってくれと願いつつ、今時の電動アシスト付には対抗意識を燃やして走る。
そんな年季の入ったママチャリに子供を乗せて走る事10分。保育園到着。
「おはようございます!」今日も元気に挨拶できた。無事に支度も終えて「お願いします」と先生に挨拶するが、心の中では(お熱が出ませんように・・・)と念仏のように唱える毎日。
小さい頃は毎日のように泣かれ、後ろ髪引かれる思いで出社した。そのせいか、すっかり後ろ髪が寂しくなってしまった。
仕事が終われば<終わらなくても>お迎え時間がやってくる。
そう言えば、いつか先生が話してくれた事を思い出した。「キリン組の子供たちのために仕事が終わったら早くお迎えに来てくださいね。」
夕方になると、子供達はパパやママが早くお迎えに来てくれないか、首を長が~くして待ってます。だからキリン組。うん、うん、いい事言うな、さすがベテラン保育士さん。だとすると、いつもうちの子供はキリン組。そう思うと、自転車を漕ぐ足に力が入ります。それでも子供に言われます「お父さん遅い(-“-)」
さて、今日のキャンプ地はどこにしよう? 道の駅で合流した、キャンプ仲間と考えた。
1.焚火ができる
2.トイレがある
3.水場がある
「1は必須である。2、3より外せない。」なんてとカッコつけるが、2、3も外したくはない。
2、3.を外したキャンプもしたことはある。今から14年前のゴールデンウイーク、長男が生まれる前だった。山奥の湖で2時間カヌーを漕いで、たどり着いた場所、いわゆる源流。テン場が少ない、止む無く、雪の上にテントを張ったけど、大量の雪解け水が流れ込み、日に日にテン場が狭くなっていく。4日間そこで過ごしたけど、寒くて辛かった。
今回は、いくつかのキャンプ場を見てまわり、人が少なくロケーションの良いキャンプ場を選んでみた。サイトの前は久慈川の河原、梅の花は満開。しかも先客の一組と僕たちの二組だけ、絶好のロケーションだ。お隣とは少し離れてはいるものの、「子供がいてご迷惑をおかけするかもしれません」とご挨拶、向こうも笑顔で迎えてくれた。
先ずは、友人がいつも用意してくれるシェルター型タープの設営。早春の子連れキャンプでは欠かせないアイテム。今日はやけに風が強く、ポールが折れそうになるので、子供たちを呼んで手伝わせようとするが、遠くの河原で石集めをしているようだ、一向に戻って来ない。
戻ってきた頃には、とっくに設営は終わっていて、子供の手には、光る石(たぶん石英)を握りしめていた。子供はどうして石集めが好きなんだろう?
子供と寝るテントも張り終えて、シュラフを並べた。大人三人用のテントも子供の寝相を考えると窮屈である。案の定、気が付くと縦に寝るはずなのに横になって寝ている、最後に寝る僕はほとんど隅の方に追いやられる。冬は結露でシュラフが濡れるんだよな。。。
無邪気な寝顔を見ると、そんな事どうでも良くなるから不思議。
さて、準備も終えて、温泉と夕飯の買い出しに出発。子供達の大好きな温泉もキャンプでは外せない。
今日の夕飯は、寒さ対策のおでん。子連れキャンプでの僕のスタイルは、食事は簡素に済ませる、かな。決して料理が嫌いなわけでもないし、片づけが嫌いなわけでもない。どちらかと言えば好きな方で、ダッチオーブンなんか3組もあるのに、キャンプで登場する場面が少ない。なぜかといえば、遊ぶ時間が少なくなるから。それでなくても、まだまだ子供に手がかかるので、じっくりと料理に時間を費やせない。
なので、出来合いのおでんを火にかけて、最後はうどんをぶち込んだ。簡単で体が温まって、しかも旨い。
おでん繋がりで云わせてもらうと、下の子はリリーフランキーの『おでんくん』が大好き。TSUTAYAのおでんくんDVDの常連である。あれって、実はとても内容が深くて、大人が観ても名作だよなって関心しつつ、ガングロ玉子ちゃんをつつきながらビールを飲むと、そろそろお腹も一杯。
いよいよ焚火の時間、いつの間にかあんなに強かった風もだいぶ落ち着いた。子供たちも手慣れたもので、焚き付けは子供たちの役目。燃えやすいダンボールや枯草を集めてバンバン燃やす。今の都会では、物を燃やす事ができなくなってしまったので、貴重な遊びかもしれない。童謡『たき火』は想像でしかない、マッチすら知らない子供多いよな。
薪は、昨年の冬から広葉樹の倒木をコツコツ集めて、自ら薪割をした、いわば格別な薪。自分で言うのも何だけど、ホームセンターで売っている針葉樹のそれとは香が違うし火持ちも違う。そういって聞かない僕を友人が笑っているけど本当。
パチパチと薪のはぜる音、風が変わると、目に入る煙、はねた火の粉が、ダウンに穴を開けるが、子供達は気にしない、仕方ないかと諦めた。
なぜか焚火で焼くソーセージは、フライパンで焼くそれより、断然旨い。これはお世辞ではない。やった人しかわからない、炭火ではダメ。
たぶん、木から出る煙が燻製のようにソーセージに絡みつくからだろうか。だから広葉樹なんだよと一人で納得。うちの長男は、焚火でソーセージを焼かせたらたぶん日本一。いや、ちょっと言い過ぎたけど学年一くらいにはなると思う。たまに焚火の中に落とすけど、3秒ルールでおいしくいただく。5歳の妹は特訓中、気が付くと3秒ルールが10秒に延びている。
そんなこんなで、子供たちも焚火に飽きて、9時を回れば、そろそろ眠くなる時間。先に入れておいた湯たんぽが、ちょうど良くシュラフを温めてくれていた。
小さなテントとミノムシのようなシュラフに潜り込むと、なんだか冒険気分でワクワクしながらも、昼間の遊びが過ぎてアッという間に眠りに落ちる。
その頃には、焚火も熾火となりメラメラと天を焦がす時間。ウイスキー片手にと言いたいところだが、僕はビール以外のお酒は飲めないので、ビール片手に火の手入れ、空気を送り込んでしっかり燃やす。
子供たちとバタバタ過ごして、空を見上げる時間もなかったけど、ふと見上げると満点の星空。
明日は、子供たちにもこの星空を見せてあげよう。
東京から200キロと離れていないこの地で、東京の数倍きれいな星空がみられる贅沢。
そう考えながら、子供が起こしてくれた焚火と、星空。心の充電が終わろうとしている。