園長さんが語る昔の浦安の保育とディズニーランド

入船保育園父母会は、浦安において最初に誕生した父母会であり、フォーラムの発足においても中心的な役割を担いました。また、フォーラムの長い歴史において、たくさんの場面でリーダーとなって私たちを率いてきました。

 

2012年に閉鎖されたフォーラムの旧ホームページを復元していたところ、入船保育園父母会のページにて「園長インタビュー」という興味深い記事を見つけました。とても重要な内容ですので、新ホームページにて大切に保管します。

 

2004年当時、保護者のインタビューに入船保育園の園長先生が答えてくださいました。「浦安町時代の入船地区の姿」「京葉線のない世界」「建設途中のディズニーランド」「昔と今の園児の違い」「保護者へのメッセージ」など、大切な内容がならんでいます。現在の公営保育園の園長先生方にも、お話をお聞きしたいですね。以下、原文を掲載します。

 

我らが園長先生インタビュー!

(2004年当時の記事)

 

平成15年4月より、入船保育園に新しい園長先生が着任されました。父母会担当で、新園長先生へのインタビューを実施しましたのでどうぞご覧下さい!

 

保護者:園長先生は、入船保育園でお仕事されるのは二度目ということですが、以前はいつ頃いらしたんでしょうか?

 

園長:昭和55年。入船保育園が開園した時から7年間、主任として在籍しました。今回、その思い出の園に、園長として勤務することとなり本当に感慨深いものがあります。

 

保護者:昔、園長先生がいらした頃と今とでは、随分と違うと思うのですが、どのような所が一番変わりましたか?

 

園長:それはもぅ全く違います。まず、こんなに建物はありませんでした。一番初めに出来たのは、入船中央エステートの低層棟で、それ以外は全部草むらというか原っぱでしたから、雨が降るとそれはもう大変なことでした。

 

保護者:雨が降ると大変というのは、そこいら辺がすぐのぬかるんでしまう、ということですか?

 

園長:いやもぅ、ぬかるむなんてものじゃありませんよ。ひとたび雨が降れば、道路はもう川ですよ川。舗装なんかされていませんから、それはもう大変でしたよ。

 

保護者:川?!? そんな状態だったんですか? それじゃ、保育園の子ども達も、雨が降るとしばらく遊べなくて大変だったんでしょうね?

 

園長:いや、それが保育園はとても水はけが良い土というか構造にしてあって、保育園の園庭だけは、とても水はけが良かったんです。だから、雨が降っても翌日には子ども達は元気に遊んでいましたよ。子ども達の元気な姿は、昔も今も本当に変わりませんね。

 

保護者:昔、入船保育園にいらした頃に、最も印象に残っていることがありましたら教えてください。

 

園長:当時の福祉課長さんが年長組(現在のひまわり組)さん達をマイクロバスに乗せて建設途中の東京ディズニーランドに連れて行ってくれたんです。

 

保護者:ディズニーランドですか? 当時は、どんな状況だったんでしょう?

 

園長:広〜い野原、何にも無いほとんど荒野に、ジャリトラックが沢山行き来して、大きな山を作ったり、山を削ったりしていたんです。土ぼこりがぱぁ〜っと飛び散って、荒涼とした風景でした。当時は、本当に何も無い漁師町でしたから、町長さん(前市長のこと)が、住民に向かって皆さん、浦安に遊園地が出来るんです。ディズニーランドと言って夢のような大きな遊園地が本当に出来るんですよ。と、いくらおっしゃっても、住民の反応としては「はぁ〜、こんな何も無い所に?本当?」というのが正直なところでした。その見学の時は、福祉課長さんと、年長組の保育士と、主任(今の園長先生のこと)が付いて行ったんですが、保育士達は遊園地の話を知っていて「ここにねぇ…?」と思いつつ、それでもとても興味深く真剣に見ていたのですが、折角連れて行った子ども達は、なーんにも無いところをトラックが走っているだけですから興味が湧くはずもなく、ただ外をながめている子どもが多かったんですよ。

 

保護者:なるほどねぇ〜、建設中のディズニーランドの見学ですか?

 

園長:それが、今では本当にディズニーランドになって、その変わり方には驚くものがあります。月日が経ったんだなぁ…という感じですねぇ。

 

保護者:最近、住民になった者としては、なかなかその辺りのことが実感しにくいのですが、何も無かった浦安の方が園長先生にはイメージが強いというか長いわけですよね。

 

園長:そうですねぇ。京葉線なんて通っていませんでしたし、皆バスしか交通が無いですから、それこそ雨が降ると大変でした。今みたいに、新浦安駅を中心に、これほど開発が進むなんて当時は想像もつきませんでした。

 

保護者:園長先生のお仕事の経験をお聞きしてよろしいですか?

 

園長:初め、4年間ほど都内にある民間の保育園で保母をしていましたが、それ以降は、ずっと浦安で保母(保育士)をしています。

 

保護者:先生ご自身もお仕事されながら子育てをされた、と先日の父母会総会でお聞きしたのですが、先生ご自身のことをお伺いしてもよろしいですか…?

 

園長:うちは、男の子が2人居て、一人はもう社会人ですが、もう一人は高校生です。上の子は市の保育園ですが、下の子は民間の幼稚園で大きくなりました。その意味で、保育園と幼稚園の違いも分かりましたし、ずっと市民としてこの地域の変化を見てきたとも言えると思いますね。市民と言えば、ディズニーランドの開園前の市民ご招待にも勿論行きましたよ。

 

保護者:そーなんですか! 本当に、浦安市との関わりが長いんですねぇ。この地域に長い園長先生から見て、以前の入船保育園の子どもと今の子どもが変わったという部分はありますか?

 

園長:まだ1ヶ月しか経っていないので、私(園長先生)の前では殻をかぶっているだけなのかもしれませんが、全体的に大人しいなぁ…という感じがしますね。

 

保護者:兄弟や姉妹の数が違うといったことも影響しているのでしょうか?

 

園長:まだ、正確には把握していませんが昔と今でそれほど兄弟数が違うとは思いません。もっと、子ども達の地(じ)が出てもいいのになぁ…と思うことが多いですねぇ。

 

保護者:ズバリ!園長先生の保育方針を教えて下さい。

 

園長:心身共に健やかに育って欲しい、ということが一番です。健康で居ることが最も大切ですから、そういう基盤をもって生活していって欲しいと思っています。

 

保護者:先生から見て、昔の保育園と今の保育園の子ども達とどこか違うところはありますか?

 

園長:そうですねぇ。保母としては、昔の方がある意味ではやりやすかったです。保育園というのは、こういう子どもが行く所だ、ということが昔はハッキリしていたわけです。ある意味では、生活のために一生懸命お仕事しているお家の子どもが行く所だと皆、分かっていたわけですよね。それは、預けている保護者の方も、預かっている保育園の方もそう思っていたわけです。それが、今は。保育園と幼稚園の差がほとんど無くなってきていますから、生活レベルが同じですよね。保育園に子どもを預けるということに対して、違和感も無ければ、差別感もありません。それが本来あるべき姿なのでしょうが、保育園はいつもその時代の変化にあわせざるを得ないという状況で発展してきたと思います。

 

保護者:私自身も保育園育ちなのですが、そういう違いがあるということを、これまであんまり認識してきませんでしたが、なるほどそういう根本の違いがあったわけですね。その意味で、縦割り行政の中で保育園は福祉行政(現在の国では厚生労働省管轄)、幼稚園は教育行政(同、文部科学省)と枠組みが分かれているわけですよね。幼保一貫という最近の理念というか傾向はとても良く分かりますが、自分自身公務員なので、この壁を取っ払うのはなかなか大変だな、と普段つくづく思っているんです。最近の保護者達に何か以前と違う部分とかありますか?

 

園長:今のお母さん達は、その意味で保育園への希望でも要求でもハッキリしています。そのこと自体は、すごく良いことだと私は思っていますよ。

 

保護者:それでは、最後に園長先生から子ども達の保護者へのメッセージが何かありましたらお願いします!

 

園長:時間的にゆとりが無く、子ども達と接する時間が減っている、という声をよく聞きます。確かに、仕事と子育ての両立というのは本当に難しいと思います。どちらが大切? と、聞かれたらどちらも大切なわけですから、本当に難しいわけです。でも、そんな時期だからこそなるべくお子さんと一緒に居る時間を持って欲しい、作って欲しいと思うのです。よく、親の生活が充実していればそれで充分、という意見もありますが、やはり努力して子どもと一緒に居る時間を作って欲しいと思うのです。お子さんと一緒に居る時間、子どもが子どもで居る時間というのは本当に短いものなのです。今しか出来ないこと、今だからこそ出来ること、ということが沢山あると思います。そういった経験を是非お子さんと一緒にしていって欲しいと、これは自分自身の反省も込めて私はいつも思っていますので、それをお母さん達、お父さん達への私の言葉としてお伝えしたいと思います。

 

保護者:はい。今のお話は、私自身本当に耳が痛い部分があります。心して子どもと一緒に居る時間を作りたいと思います。園長先生、本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

 

園長:いえ、こちらこそインタビューなんてなかなか経験しませんから、ありがとうございました。

 

 

(担当者余談)

インタビューはお忙しい園長先生の土曜勤務の時間帯にお時間を取って頂いて実施しました。当日は、4歳児(さくら組)の子どもを連れてインタビューを挙行する!という、いかにも保育園児の親らしいことをせざるをえない状況だったのですが、インタビューの間じゅう絵本を読んだり、お絵かきした〜い!という我が子に向かって園長先生は終始、和やかな笑顔で対応して下さりながらインタビューに応じて下さいました。心より感謝しています!ありがとうございました!

 
浦安保育メモに戻る