新制度への浦安市のスタートダッシュ (H26年度の一般会計予算)

2014年3月24日

 

浦安市議会の平成26年第1回定例会にて、平成26年度の一般会計予算案が可決されました。この中には、フォーラムが長年にわたって要望してきた浦安市立猫実保育園における老朽化した園舎の大規模改修工事が含まれていました。そのため、フォーラムは、予算案が可決されることを心待ちにしていました。

 

独身時代から今まで駆け足で生活している保育園児の保護者にとっては、市議会に関心があってもよく知らないというのが本音ではないでしょうか。実は、浦安市の予算案には、浦安市がこれからどのようなプロジェクトを進めるかということを知る上でたくさんの情報が入っています。

 

特に、今年度の予算案は、平成27年度から施行予定の「子ども・子育て支援新制度」に向けた前段階であり、とても大きな意味があります。「新制度へのスタートダッシュ」と書きましたが、実際にはもっと大きなゴールに向かって駆け出そうとしています。2013年度の浦安保育フォーラムの情報分析班は、この予算案を見て「なるほど、これはロケットスタートだ。」と表現しました。どういうことなのかを分かりやすく、ざっくりとご説明します。

 

浦安市の一般会計とは何ですか?

まず、学生時代に学んだ「一般会計」を復習しましょう。ここでは市町村レベルのお話をします。自治体には「一般会計」と「特別会計」という、二つの大きな財布があります。財布にお金が入って、何かをする時にはお金が出ていきます。「一般会計」とは、福祉や教育、都市整備といった基本的な行政運営に使う財布です。一般会計とは別に「特別会計」というものがありますが、ここでは説明しません。

 

保育に関係する事業も、一般会計でまかなわれています。浦安市の予算編成はホームページに公開されています。こちらのページです。(リンク切れの際はご容赦ください。)ただ、このページを見るだけでは、たくさんの資料があってよく分かりませんよね。保育に関係する予算は、平成26年度主要施策事業一般会計 P37-80(PDF形式 506KB)という資料に記載されています。皆さん、お忙しいと思いますので、ざっと紹介します。

 

平成26年度で注目したい保育関連の予算

先ほどの一般会計予算案を見ていくと、浦安市が、新制度を見据えた「攻めの予算編成」をしていることが分かります。また、内閣府が主導している「子ども・子育て支援新制度」に先立って、すでに新制度をスタートさせようとしていることが分かります。しかも、ゴールは新制度だけではないのです。それらを含めた上で、少子化対策というもっと大きなゴールに向かって駆け出そうとしています。

 

さて、一般会計の予算には、前年度から引き続いて事業を行う場合(継続)と、その年度から新しく事業を行う場合(新規)があります。ここでは、保育に関係した新規の事業について感想を含めてご紹介します。実際の資料は単位が千円になっていて分かりにくいため、カッコ内に概算を書いておきます。(計算ミスがありましたらご容赦ください。)

 

1.少子化対策基金積立金

3,000,000千円(30億円)

これが浦安市の心意気です。「このまま少子化が進めば、日本は弱くなる。少子化を食い止めるためには何をすればいいのか?」浦安市は、先陣を切って自らが動くことを選択しました。この予算は基金ですので、単年度で使い切るわけではありません。状況が変わっても、長期間、安定して少子化に対応するためには、基金の方が適しているのだと考えます。

 

2.猫実保育園大規模改修事業

251,066千円(約2億5千万円)

老朽化した浦安市立猫実保育園の園舎の大規模改修工事を実施するための予算です。浦安保育フォーラムの長年の要望が実現する時がやってきました。浦安駅に近く、たくさんの子どもや親の生活を支えてきた園舎、そして、老朽化していたにも関わらず、東日本大震災を耐え抜いて子どもたちを守った園舎です。リフレッシュして、もう一度頑張ってほしいです。園児たちは新しい園舎での生活を待ち望んでいます。

 

3.私立保育所施設整備費補助金

69,051千円(約6千9百万円)

私たちの子どもを預かってくださっている公営保育園以外にも、たくさんの私立保育園があります。ぜひ、施設整備費を補助していただきたいです。

 

4.私立保育所保育士等処遇改善臨時特例事業費補助金

17,453千円(約1千7百万円)

浦安保育フォーラムは「保育士さんの待遇を良くしてください!」と要望を出しています。今回は私立保育園の保育士さんについての予算のようです。確かに、同じ保育士さんなのに、公立と私立で給料が違うのはいけませんから、大切だと思います。

 

5.認可外保育施設運営等支援事業費補助金

37,380千円(約3千7百万円)

うっかりすると見過ごしてしまいそうになりますが、とても大切な予算です。認可保育園の基準をクリアできそうな認可外保育園(認証保育園)を、認可保育園に移行できるように、浦安市がサポートするようです。ゼロから認可保育園を作るのは大変です。この予算によって認可保育園が増えると、保護者はとても助かります。

 

6.地域型保育運営費等補助金

48,910千円(約4千9百万円)

国の基準を満たしている小規模保育施設(定員20人未満)などに対して、園の運営費や施設改修費などをサポートする予算です。浦安市には、認可保育園だけでなく、小規模ながらも優れた保育園がたくさんあります。ぜひ、厚い支援をお願いします。

 

7.子育て世帯臨時特例給付金給付事業

180,000千円(1億8千万円)

今年度から消費税が引き上げられますので、子育て世帯への影響をできる限り緩和して、消費を低迷させないようにするための臨時的な予算です。臨時と言わずに、ずっと継続してほしいものです。

 

8.一時保育事業

26,301千円(約2千6百万円)

公立幼稚園の余裕教室で保育ができるように設備を用意して、一時的に家庭での保育や育児が困難となった子どもを預かるための予算です。確かに、一時保育が充実すると助かりますよね。公立幼稚園が認定こども園になる時にも応用がききそうです。

 

9.旧第3教職員住宅改修事業(設計・工事)

12,955千円(約1千3百万円)

旧第3教職員住宅で保育ができるように環境を整えて、一時保育ができるようにするための予算です。できれば、そのまま頑張って、保育園にしてほしいですね。

 

10.こどもの広場整備事業

180,000千円(約1億8千万円)

子どもたちがのびのびと自由に遊び、様々な交流活動や自然体験、さらには親子が一緒になって遊ぶことのできる「(仮称)こども広場」の整備に向けた基盤整備を行うとのことです。i-netが活躍するのでしょうか。

 

11.特定不妊治療費等助成事業

19,642千円(約2千万円)

特定不妊治療に必要な費用の一部を助成する等、市民の負担を軽減することを目的としているようです。子育てだけでなく、子づくりまで支援してくれるのが浦安市です。ちなみに、周産期救急医療運営費という、ハイリスクの妊婦や新生児の救急医療に対応するための予算も増額になっています。

 

12.その他

保育とは直接関係がありませんが、小学校や中学校の体育館などにエアコンを設置するための予算が用意されています。熱中症から子どもを守るための大切なサポートですね。時代錯誤の根性論は必要ありませんし、教員の先生たちの待遇改善にも繋がります。しかも、学校の体育館は、大規模災害時の避難場所になりますから、万が一の夏季や冬季の生活を考え、燃料発電による仮設電源での稼働を想定した設計をしてほしいです。たぶん、考えてくださっていると思いますが。

 

H26年度一般会計予算案: 浦安市議会史に残る僅差での可決

今回の当初予算は子育て世代にとって大変すばらしい内容を含んでいます。しかし、その採決では、浦安市議会において大きく意見が分かれ、賛成11対反対9という僅差で可決されました。予算案に反対した会派の一人の議員が会派を離脱して賛成にまわったため、かろうじて過半数を上回ったのです。この議員が反対していれば、結果は10対10の同数になりました。そうなった場合、議長の判断となります。議長は反対会派に所属しています。結果、否決される可能性が高かったと思われます。

 

少子化対策や子育て支援が注目を受けることは望ましいですが、一般会計予算の成立の焦点になることは望みません。主義や主張が異なっていたとしても、時には感情的になって激しく議論したとしても、全ての市議会議員の方々は、浦安市民の思いを背負って大事に臨む、選ばれし存在です。 与党系および野党系に関わらず、市議会全体が同じ目標に向かって進んでいただきたいと考えます。浦安市を代表する人たちが揉めていては、これからの日本を担う子どもたちの幸せには繋がりません。どうか、力を合わせて頑張ってください。

 

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